前照灯と補助灯
さてタイトルテーマの前に、自転車のライトは大きく分けて2種類あることを説明したいと思います。
まず1つ目。
このタイプは自転車から電力を供給する『ダイナモ式』と呼ばれています。同じ仲間で暗くなると自動で点灯するオートライトがあります。ママチャリの形をした自転車には標準装備されています。
次に2つ目。
このタイプは電力を自転車からではなく電池で動くため『バッテリー式』と呼ばれます。主にハンドルに取り付けます。スポーツ車や折り畳みの自転車向けに作られています。
今回スポットを当てるのは『バッテリー式』の方です。
このタイプの物は、色々なメーカーからたくさんの種類が販売されており、値段もピンキリです。
たくさんの種類がありますが、大きく分けるとタイトルにある『前照灯』『補助灯』の2種類になります。
前照灯とは、そのライトだけで十分の灯りが得られるため、夜間走行時に装着する物。
対して補助灯とは、そのライトだけでは十分な灯りが得られないため、夜間走行時には、前照灯の補助として装着し、自分の存在を他人により良く認識させる物となります。
つまり補助灯は、それ単体では使うことはできません。前照灯の灯りだけでは不十分に感じた場合にのみ、補助の灯りとして使用するのが条件になります。
自転車のライトの光量はカンデラという単位で表せられます。400カンデラ以上が前照灯として使えます。400カンデラ以下の物が補助灯になるのですが、補助灯は100カンデラ以下の物とかも普通にあります。
100カンデラ以下では、自分の存在を相手に知らせることは出来ますが、視界は暗いままです。
問題なのはこの事実、一般的にはあまり知られていない事です。
前照灯は安価な物でも、2,000円以上します。それに対し補助灯は1,000円以下で売ってたりします。
何も知らない人は安い方を買います。多分、僕もそうします。結果、補助灯で夜間走っている人がたくさん増えました。
それではダメなので、レジに持っていく前にパッケージをよく見てください。
必ず、このライトは前照灯として使えるかどうか書いてあります。補助灯の場合『このライトは補助灯です。前照灯としては使えません』と書いてあります。何も書いてなければ、間違いなく前照灯ではありません。
ちなみに前照灯と補助灯の違い、認知度が低いせいか販売している店員も知らなかったりします。
今日買い物に行ったとあるお店では、ライトの売り場にカラフルな補助灯がずらーっと並んでいました。さも前照灯であるかのようにアピールしています。値段が安すぎたので、気になってパッケージを見てみました。ちゃんと補助灯って書いてあります。
さすがに騙す気で売っているわけではないと思うので、単に知らないのだと思います。もしかしたら、売るときにちゃんと補助灯ですって説明しているのかもしれません。
皆さんも買うときには、間違わないようにしてください。
最後にお願いです。たまーに前照灯を点滅モードで使用している人を見かけます。点滅モードは前照灯を補助灯として使用する場合のみ使えるものなので、前照灯として使う場合は常時点灯モードにしてください。前が見えずらいので危険です。
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コメント
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サギサカ扱いのライトで6500cdなのに補助灯扱いのが在りました。(USB充電でHiモードが短時間点灯です)
その他に店頭にあった物は(他メーカー含む)明らかに暗いのに前照灯扱いでした。安全に直結する装備なのに購入者を惑わすような紛らわしい表記は止めてほしいです。
以前キャッツ・アイの試作LEDライトに明る過ぎるので発売に待ったをかけた事実からJISと警察はマトモに信用できません。
投稿: L | 2017年7月29日 (土) 20時47分
L様 お問い合わせありがとうございます。
正直なところ、返信には頭を悩ませております。
そのライトが私の手元に無いので実際の性能が判らない。店頭に置いてあった試供用のライトには容量が十分な電池が使われていたのか?などの不確定要素があるからです。申し訳ありません。
ただ、ご存知かもしれませんが、サギサカさんは自転車部品製造メーカーではなく、問屋をしております。部品の製造は私が知る限り行っておりません。そのため他社が製造したものを自社ブランドとして販売したものだと推察します。
当店も取り引きがあるのでサギサカさんのカタログを所持していますが、何故補助灯表記なのか疑問に思うものがいくつかあります。何か理由ががあるのかもしれませんが、よく判らない物は取り扱わないので無視していました。
紛らわしい表記は、表記を疎かにする製造メーカーとそれを販売する店側、両方に問題があると思います。残念ながら、これが改善されることはないと思います。自衛策としては本文と矛盾するようですが店員さんにきくしかありません。店員を信用できるかの判断がスタートになりますが…。
最後に個人的な考えで恐縮ですが、私は明るすぎるライトは危険だと考えます。
大きい道路などでは対向車とすれ違うことは基本ありませんが、せまい道路だとすれ違うこともあります。その際に、明るすぎるとドライバーの視界を邪魔してしまう可能性もあるからです。
ただ、キャットアイもその危険性も判っているはずですから、もしかしたら何か別の理由もあったのかもしれません。勉強不足で申し訳ありません。
投稿: うらちゃん | 2017年7月30日 (日) 21時50分
点滅モードは前照灯を補助灯として使用する場合のみ使えるものなので
上記の文章は間違いだと思います。
経産省の方から聞いたことですが、点滅モードは補助灯でのみという理由は、JIS規格が点滅してはならないと試験項目で定めているため、JIS適合前照灯を点滅モードで使用するとJIS適合ではなくなるというのが理由なのだそうです。
道路交通法などでは、軽車両の前照灯や尾灯の点滅を違反とする規定そのものが存在しないとのことで、自転車の灯火を点滅させることは法的に適法だそうです。
点滅の光っているときの明るさが400cd以上(10m前方の障害物を確認できる明るさ)であれば、点滅モードで使用しても違法ではないそうです。
こちらは警視庁の交通相談ダイヤルで直接確認したものですが、それを裏付けるように東京都のホームページに同様のことが記載されているので、確認してみてください。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/10/30/10_06.html
投稿: 山城 | 2021年3月 1日 (月) 08時39分
山城様 ご意見ありがとうございます。
恥ずかしながら、法的に問題ないというのは勉強不足でした。思い込みを正していただいてありがとうございます。
恐縮ですが私の考えを書かせていただきます。私がこの仕事の最も重視していることは『全てにおける安全な乗車』です。搭乗者及びすれ違う他者が安全であってほしいという基本的な考えです。
その上で、安全に乗車していただくのに、点灯する光源というものは搭乗者の錯視を引き起こす可能性が0ではなく、また光源の強すぎる点滅も他者に対して目くらましの効果もあるのではないかと思っております。
都と警視庁の見解としては、違法ではないが必要に応じて指導は行っていくと解釈しました。
その考えに基づき『点滅モードは前照灯を補助灯として使用する場合のみ使えるものなので』から『点滅モードを前照灯としては使わないように当店では指導していく』と訂正させていただきます。
以上、当店の見解として書かせていただきました。
投稿: 自転車屋うらちゃん | 2021年3月 1日 (月) 11時07分