もう一手間
後輪のハブが、どうしようもないくらいガタガタだったのでハブごと交換することにしました。
ハブとはこの部分のことを指します。内部がボロボロで酷い有様でした。
新品を用意しました。リムは元の部品から流用するので、一旦ばらばらにし、ハブを新しい物に変えて、また組み立てます。
組み立て完了しました。古いのと新しいのが入れ替わっています。
余談ですが、自転車屋の資格で『自転車技士』というものがあります。実技の試験では、ホイールを20~30分で組み立てる必要があるのですが、実際は、そんなやっつけ仕事みたいな真似はしません。
自分の納得のいくレベルまで時間をかけて組み立てています。
さて、組みあがったのでこれで完成となる訳ですが、ここでもう一手間加えてみましょう。
加えるのはこの部分です。
ベアリングという小さい金属のボールが詰まっている場所です。蓋を外してみます。
グリスが申し訳程度しか入っていません。これまでも何度かハブの交換を行っていますが、全て似たような状態でした。なんで新品の状態で、グリスがこんなに少ないのか甚だ疑問です。
こんな状態で納車するとすぐにグリス切れを起こしてしまいます。なので、一手間加えてグリスを足します。
ママチャリタイプの自転車は、溢れるくらいグリスを入れて問題ありません。溢れたら拭けばいいだけの話です。
この一手間を、加えるか加えないかによって、のちのち大きな差が出てくると思って修理をしています。
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コメント
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はじめまして
一番下の画像のベアリングボールが
飛び出さないようにおさえてるシルバーのリングは
どのようにはめればいいでしょうか?
取り付け後走行してるとシルバーのリングが浮いてきて
ちょっとてこずってます。
投稿: よしひろ | 2017年7月19日 (水) 17時09分
よしひろ様 お問い合わせありがとうございます。
ご質問の件ですが、その部品は異物の侵入を防ぐための防水・防塵のために付いております。
ネジのようにねじ込まれているわけではなく、隙間無くはまるように圧入して固定されています。
そのため通常は簡単に外れることは無いのですが、圧入してあるだけなので外すことが可能な部品です。
外れていたら工具を使わず指の腹で少しずつ均等に押し込んではめていきます。定位置で止まるようにも出来ていないため押し込めばベアリングに接触するまで奥に入っていってしまいます。凹側の部品と平行になったら止めてください。
手で押し込んでも頻繁に外れるようであれば、部品が変形してしまっていて部品同士がかみ合わなくなってしまい、走行の振動で外れやすい状態になってしまった可能性があります。
私が知る限りでの回答になりますが、歯車が付いている側(右側)であれば残念ながらその部品だけを手に入れることは難しいのです。修理にはハブ(全部)ごと交換することになると思います。
ブレーキ側(左側)であれば専門店にお願いすれば手に入れることが出来るかもしれません。
投稿: うらちゃん | 2017年7月20日 (木) 21時11分
ハブベアリングですが、ホームセンター自転車とかはグリスだけでなくベアリング球も明らかに足りないのがあります。
現在はシフト、BB、ハブ等、製造メーカーがゴチャゴチャなのが殆ですが、以前のMTBブーム近辺の頃は低級グレードでしたがコンポパーツで組まれてるのを売ってました。しかし、この時点でもグリスが入ってない、ベアリング球が足りないのが在りました。(自動車のベアリングをバラして合うのを入れましたが)
自転車屋で自転車を買えば?と言われると思いますが、話に上げたのは国内メーカーの車両とパーツですし、とても工業製品とは思えません。
他にも破損パーツが出たりして自分で修理する羽目になりましたが、今はネットで注文ですから3日あれば作業にかかれますが、あの当時部品と工具一式(ホイール組以外)を注文して入荷まで1ヶ月半かかりました。(内2週間は自転車屋で発注されてませんでした)
店で買った車両しか面倒見ない、防犯登録も他所からの車両はしない、のが自転車屋の通例みたいですが、冷やかしならともかく注文依頼まで出鱈目な対応される時点で信用なんか持てないですね。
投稿: S | 2017年7月22日 (土) 22時24分
S様 コメントありがとうございます。
自転車の品質に関しては、言い訳のしようがありません。昔に比べて今の自転車の品質の劣化は酷いと思います。
目で判断できない部分や、新車の段階では判らないパーツの性質、メリットだけを強調しデメリットの説明はしないなど、商品と店員両方に問題があります。
品質は残念なことですが、値段的な観点などからこのような自転車が多く求められ、実際に売れているのも事実ではあります。
今の時代、私たちに出来ることはそういった自転車でもきっちり整備組立を行い、出来るだけ良い状態に仕上げてお客様に提供することだと思っています。私がグリスを足しているのはそういった理由からです。
自転車屋は自転車屋で購入しよう、個人的にはどこで買ってもいいと思っています。ただし、S様のおっしゃる通り、その自転車屋さんは『信用』できるのか? きちんとした整備の腕を持っているのかというのを重視すべきです。私は出張修理という仕事がらあらゆる場所に行き修理をしています。私は特別優れているわけではありませんが、適当な修理をされている自転車は頻繁に見ます。
自転車屋に限らず、商売されている方々は色々な人格の方がいらっしゃいます。その中から評判などを参考にして、実際に会ってみて、自分で判断するしかないと思います。
個人的に最悪だと思う自転車屋は『依頼されたとこしか修理しない』自転車屋です。例えば、パンクの修理を依頼されたけど、ブレーキの調子もおかしい。だけど、パンク修理しか依頼されていないから、ブレーキは触らない。それで修理完了。後は知らない。修理するのはお客様の意思ですが、不具合を伝えもしないのは理解できません。
部品の納期が遅いのは許してあげてください。場合によってはもっと時間がかかったりします。販売店が悪い訳ではないので責めないで上げてください。でも発注していないのは問題外なのでそれは怒って当然です。
最後ですが、自分のところで販売した自転車しか修理しないというのは、お客様からすれば理不尽だと思いますが、私たちから見ればそれを悪だとは断じることはできません。防犯登録に関しては、もしかしたら保証書もレシートもない出所不明な自転車かもしれません。盗品の可能性があります。
修理は自転車によっては汎用性の部品が使えない、専用部品が必要になる場合もあります。その専用部品は販売したお店しか手に入らないかもしれません。専用部品が必要になる修理は怖いです。もし、完全に壊してしまった場合修理は不可能ですから弁償しなければなりません。
実体験ですが、ディスクブレーキ対応のボスフリーハブの修理を依頼された事がありました。製造元に問い合わせたら、部品の在庫がない。入荷したらホームページで販売するからそこから購入してくれ。入荷は知りませんと回答されたことがあります。
ここの自転車は、金輪際出来れば触りたくないのが本音です。
投稿: うらちゃん | 2017年7月23日 (日) 21時33分