たまに見る自転車
道路を走っているとたま~に見る自転車の修理です。
タイヤが三つある三輪自転車。タイヤが三つと聞くと子供用の三輪車を連想しますが、こちらは大人用です。ブリジストン製の『ワゴン』という車種になります。
見る機会が少ないためか、修理依頼もとても少ない自転車です。
依頼内容は、とにかく動きが重いのを何とかしてほしいとの事。
見てみると確かにハンドルの動きが悪い。ペダルも重い、というよりもブレーキを引いてないのに効いています。
ブレーキアウターがボロボロです。中に入っているワイヤーも錆びているためか非常に動きが悪い。ブレーキが効いた状態で走っていたみたいです。そりゃ重いはず。
ハンドルが重いのはヘッドのグリス(潤滑剤)切れと判断しました。
邪魔なハンドルを抜いて、その他の部品を分解しました。中身を見るとやっぱりグリスが切れています。僅かに残っているグリスも粘土みたいになって、逆に動きを悪くしています。
古いグリスを取って綺麗にクリーニングしてから、新しいグリスをたっぷり入れてやります。
玉押しの蓋をします。スマホで写真を撮っているので、うっかり指が写ってしまいました。後は組み上げて完了です。劇的なまでにハンドルの動きが良くなりました。
余談ですがブリジストンの古い自転車を何台か、今回と同じようなヘッドのグリスアップをしたことがありますが、最新の自転車も同じ構造なのでしょうか? 一般的な自転車とは構造が大分違いますが、防水効果が高そうで良いなと毎回思っています。そのかわり整備が少し面倒ではありますが……。
ブレーキは全交換です。ボロボロなアウター(外側)も錆びついたインナー(中身)も新しくしてやればOKです。
シリコン系のグリスをワイヤーに塗って、ブレーキの動きをさらに良くしてやります。
タイヤの交換もご依頼いただいたので、ハブ(車輪)のグリスアップも行いました。別々に行うと工賃が高くなりますが、同時にしてしまえば工程が同じ部分があるので工賃が安くなります。これで車輪の動きも良くなりました。
とまぁ、色々やって終わってみれば、オーバーホールみたいになりましたね。料金もそれなりにかかっています。
ここまでした甲斐もあって、驚くくらい動きが軽やかになりました。お客様にも試乗していただきましたが満足いただけたようで安心しました。
ペダルが昔に比べて重いとお悩みの方は、駆動部分のグリスを入れ替えてやれば、新車以上に動きが良くなりますよ。料金はかかりますが、安い新車を買うよりは断然お勧めです。
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